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マリス・ヤンソンスのマーラー9番



11月27日、サントリーホールに馳せ参じました。

!!

一言で言えば、オーソドックス。

オーソドックス・・・それも、有無を言わせないオーソドックスかと。

勇将マリス・ヤンソンス=バイエルン放送響の響き~そのあまりの明晰と豊麗、繊細と豪放、そして優美。

個人的には、第1楽章の前半、退廃と魂の高揚、慟哭と憧憬、その目眩く狭間の深淵を、止むに止まれぬ響きで満たして欲しかったのですが・・・。同楽章の後半から、オケの鳴りが良くなるので、最初は様子見だったのかもしれません。

再現芸術の申し子、その姿を垣間見たコンサートでした。


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マゼールのマーラー9番



マゼールのマーラーについては、東京交響楽団との第1番の名演が特に印象に残っています。
http://blogs.yahoo.co.jp/william_kapell/44039890.html

ほぼ同時期にフィルハーモニア管を振って、マーラーを録音していると聞いては、じっとしていられません。
CDは第1番~第3番、第4番~第6番、第7番~第9番と3枚ずつのセットになっています。最初に第7番~第9番を購入、早速第9番を聴いてみました。

第1楽章
冒頭、過去を振り返る様な纏綿とした心象から、一変、退廃と魂の高揚の狭間を彷徨うマーラーの姿が描かれます。しかし、何と美しいマーラーであることか・・・これがマゼールの美学なのでしょう。複雑に入り組んだ楽想・パートのテクスチュアを、光と闇の交錯を、実に見事に、稠密且つ雄大に響き渡らせています。十分なタメと語り口の巧さがあるのですが、それでいて一線を踏み外すことがなく、格調が高いのです。情念の嵐の中にあっても、客観性が常に保たれていて、それが類稀な構成力に繋がっています。

第2楽章
軽妙にして滋味深い表現には、風格すら感じられます。どこからどこまでがマーラーで、マゼールで、フィルハーモニア管なのか、よく分からない演奏・・・優れた演奏とは、そういうものですね。全てが渾然一体となって、マーラーの芸術が音化されていく瞬間=再現芸術。

第3楽章
この楽章に限らず、オーケストラ全体に鳴りが良く、多彩な表情を生み出しています。マーラーの響きに色があると感じることは、今まであまりなかったのですが、マゼールのマーラーには彩りが確かにあります。

第4楽章
終焉の章、大いなる創造と虚無。憧憬と生への訣別。恰もマゼール自身の心の投影かの如く、深い静寂が覆い包んでいきます。

英国ロイヤル・フェスティヴァルホールでの秀逸な録音。
実に抜けの良い、立体感のあるダイナミックな響きが広がります。
真にコンサートプレゼンス!
プロフィール

Kapell

Author:Kapell
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