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J.S.バッハ・無伴奏ソナタとパルティータ


J.S.バッハ・無伴奏ソナタとパルティータ

ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)

Deutsche Grammophon 453004-2
CD・録音:1967年7月・ステレオ



今更、言うまでもなく往年の名演奏です。

知・情・意のバランスが良く、過不足のない演奏。シェリングは、哲学や美学の造詣も深かったとのことで、音楽にもそれが現れていると思います。

真に立派な演奏です・・・しかし、個人的にはあまり好きになれません。

何故かと問われれば・・・

総花的と言うか、八方美人と言うか・・・シゲティ、ミルシティン、グリュミオー等のいいとこ取りをしている様に聴こえるところが・・・。

シェリング自身に止むに止まれず言いたいことがない様に思えるのです。ここが個人的には一番納得のいかないところ。

技術も音楽も完璧を狙い、それを高度に達成していますが・・・縦しんば技術的に冒険してでも、聴き手に何か伝えたいという想いがあまり感じられません。

非常に柔軟で頭の良い人なので何でも吸収してしまうのですが、結果として出てくる音楽に安全運転を感じます。

一方、55年録音の旧盤が良いという人もいます・・・私は未聴です。もっと厳しくて真摯な演奏らしいので、これを聴いてみないことにはいかんのでしょうね。

これは私の偏見かもしれません・・・シェリング・ファンの方、戯言ですのでご容赦下さい。m(__)m

同感、反対…忌憚のないご意見を頂けましたら幸いです。

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コメント

No title

音楽は人それぞれ感じ方が違いますもんね!でも批評できるほどちゃんと聞いてるって事だと思いますwww

No title

ぴーこさん、畏れ入ります。そうですね・・・人によって違う感じ方をしますが、共通する部分も多々あるんですよ。その辺も、難しくて面白いところです。本を読む場合と同じかもしれませんね。

No title

うーん、ちょっとよく目にするシェリング批評の受け売りのような気がします。シェリングの演奏はその恐るべき完成度の更にその先に音楽的な悪魔が居ます。ハンサムで、何ヶ国語も話し、完璧に演奏するシェリングは実は晩年フェラス同様アルコール中毒に陥っていたという事実をご存知でしょうか?だからという訳ではないけれど、シェリングも身を削って音楽を紡ぎだしていたのです。安全運転などではない。

No title

bqv10353さん、コメント有難うございます。シェリングについての一般の批評はさておき、これは私が感じたままを書いたに過ぎません。安全運転は語弊がありましたが、規範的でニュートラル過ぎるのです。極めて優秀な外交官が演奏しているイメージ。ミルシティンについては、こんなことは全く思わないどころか実に素晴らしい演奏と感じます。温故知新ですので、シェリングの旧い方の演奏も聴いてみます。

No title

僕は旧録音も持っていますが、より端整な演奏だと思います。 やや「青い」。でも、シェリングってあまり時期によって演奏に差がない演奏家ですからネェ。グールドやメニューインのようには変わらない。 でもやっぱり「聴き手に何かを伝えたいという想い」という点ではミルシテインの方が薄いように思うのですが・・・。ひょっとするとシェリング特有の悪の部分である「いやみっぽさ」みたいなのをkapellさんの耳は拒絶するのかもしれません。

No title

bqv10353さん、そうなんですよ。この演奏を聴いていて「素晴らしい音楽を聴いたという満足感」なり「深い感銘」とかいうもの~それを感じ取ることを妨げる何かがあるのです。仰るところの「いやみっぽさ」みたいなもの、それがこの演奏家個人の性格的なものから来るのか分かりませんが、耳の拒絶反応が起きてしまうのです。ミルシティンはやや線が細いものの、透明で枯れた厳しさがあり、アーティキュレーションも立体的で、音の向こうに憂いや幻想が羽ばたいています。

No title

シェリングのバッハの無伴奏、もう30年も前にDGのLPで随分聴きました。世評では端正で見事という声が多かったですが、わたくしも、何か満足できませんでした。ひとつには、DGの録音が幾分冷たい音にとれているせいでしょうか。シェリングは、フィリップスのバッハやベートーヴェンの協奏曲(共に、ステレオ2度目が綺麗)、さらにマーキュリーのハチャトリアンの協奏曲という極めつけがあります。あのハチャトリアンの音が本当の全盛期の音でしょう。どうも、DGのバッハは音が硬くって・・と思います。

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ついでながら、大のご贔屓のミルシティンのバッハについて。DGの無伴奏は年齢を考えれば驚くべき演奏ですが、お得意の3番のアレグロ・アッサイのように圧倒的に凄いところと、そうでないところがあるのも事実です。ミルシティンの恐るべき技巧、本当の凄みは、モノラルのEMI盤でしょう。贅沢をいえば、その真ん中くらいの時期の録音があったなら、と思います。ちなみに「ミルシティンの音」が最上の状態で記録されているのは、あのおよそ人間業とは思えないゴールドマルクのヴァイオリン協奏曲(TESTAMENTでCD化)です。

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カワサキヤさん、DGの音の冷たさというのも分かります。LP時代の録音は塩ビが材質のこともあり、やや固めの音に録音を仕上げる傾向があります。DGは特にその傾向が強いと感じます。しかし、CDになってリマスタリングされたこのシェリングの音質は、そんなに旧い録音とは思えないほどS/Nが良く擦弦の音も艶やかです。ただ、仰る通り、これは録音だけの問題ではないと思います。 全盛期の録音も、聴いてみたいですね。

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カワサキヤさん、個人的にはミルシティンは2番目です~DGのミルシティンは確かにムラがありますね。ただ、年輪を重ねた凛として枯れた風情は流石です。シゲティの思索も深いですが・・・今、私の中で無伴奏のベスト1はフェラスの演奏(別途記事あり)です。ミルシティンの最上の音、ゴールドマルクのヴァイオリン協奏曲も是非聴いてみたいです。

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ここまで言われてしまうと、ヴァイオリンを弾く身としてシェリングを擁護したくなります。もう一度、本当によく聴いてみてほしいのです。 シェリングを聴いて上記のような感想しかでないということは僕にとってとても悲しいことです。今僕は55年盤のシェリングを聴いていますが驚くほどDG盤と同じです。つまりシェリングは早期に完成したものを、技術的にも解釈も変化させることなく維持させ続けた稀有なヴァイオリニストだったのです。

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それほどシェリングは完成度が高く、そして奥が深い。シェリングは自分が信じたバッハを飽きることなくひたすら弾き続けたのです。50年以上のキャリアの中で自身の解釈を1度もゆるがせにしなかった。そして解釈を具現化する技術も衰えなかった。

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だから、シェリングには「全盛期」などなかったと僕は思います。シェリングという演奏家は「どの時期どのレーベルが良い聴き」みたいな聴き方が通用しないタイプの演奏家なのではないでしょうか。また、ミルシテインのDGの無伴奏は晩年の演奏ですが、「枯れた風情」とはしっくりこないですね。ミルシテインは晩年ほどエネルギッシュで若々しいと僕は思うのですが。

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ミルシティンのDGの無伴奏は、けして枯れていませんね。ミルシティンはラスト・リサイタル(テルデック)でさえも、エネルギッシュです。シェリングは、仰るように、真に誠実な芸風だったのだと思います。わたくしは、どうもヴァイオリニストに技巧の華を求める聴き方をしているようです。そういう耳にはシェリングの本当の良さが判らないのかもしれません。でも、ハイティンクとのベートーヴェンは心から愛聴しています。

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そして、敢えてハチャトリアンを挙げたのは、正直に言えば、ウイルマ・コザートの録音の素晴しさを言いたかったのです。マーキュリーの録音が好きだ、ということです。わたくしにとっては、レーベルやCD化の技術の違いによって同じ演奏家とは思えないくらい音色が変るのは、ホロヴィッツのCBSとRCAのように、しばしば考えさせられるテーマなのです。

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ミルシティンばかりで恐縮ですが、アレグロ・アッサイとゴールドマルクには忘れられない思い出があるのです。1975年の暮に、NHKのFMでその年のウィーン芸術週間の放送があり、ミルシティンがルーデル指揮のトーンキュンストラー管の伴奏で、完璧にゴールドマルクを弾き、アンコールでアレグロ・アッサイを弾いたのです。鳥肌がたつような技巧でした。日本盤など出ていない時代で、数年後、ゴールドマルクのレコードを旅行中にサンフランシスコのタワーレコードで求めました。ミルシティンに思い入れが強いのはそのためです。

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bqv10353さん、カワサキヤさん、恐縮です。何だか私が悪者みたいですね^^;。晩年でもミルシティンの表現意欲は闊達ですが、決してこれ見よがしなものではありません。寧ろ線が細い・・・しかし、極めて客観的に自分の音楽を聴いていて、そこが「枯れた風情」なのです。そこを聴き取って頂かないと辛いです。指揮者で言えば、シューリヒトに通じるものが若干あると思います。尚、私にシェリングを否定できる訳などなく、その素晴らしさを教えて頂いたと感謝しております。ここまで白熱する・・・ここは良い議論の場だったとお思い下さい。

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