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菊池洋子のモーツァルト


モーツァルト・ピアノ協奏曲第20番ニ短調KV466
きらきら星変奏曲ハ長調KV265
ピアノソナタ第9番イ短調KV310

井上 道義 指揮/オーケストラ・アンサンブル金沢
菊池 洋子(ピアノ)

avex-CLASSICS AVCL-255118
CD・ステレオ・録音:2006年9月17、18日、石川県立音楽堂 音楽ホール、ライブ



あまでおさんのお薦めで購入したCD、KV466をはじめ素晴らしい演奏です。

このKV466、特に第1楽章、菊池洋子のピアノは、往年のワルター弾き振り盤の影響を受けていると思しき部分が結構あります。恐らく旧い人の演奏も、かなり研究していらっしゃるのでしょう。

バックの井上道義の指揮にも結構それっぽい雰囲気がありますが、ワルターみたいなテンポを踏み外す寸前の耽美的レガート、感極まったカンタービレまではやっていません。個人的にはもっとやって頂いてOKなのですが・・・。

もしかしてカデンツァもワルターのオリジナル再現かと思いきや、これはベートーヴェンのそれでした。
しかし、このカデンツァ、菊池洋子は後半いいところからアッチェレランドを掛けるのですが、思いつきに終わらないこのギリギリの想いは真に「疾走する悲しみ」ではないでしょうか!この「まさか」には痺れました。

ピアノ・・・音そのものが水晶の様なタッチで清楚な美しさ、時に現れるテンポ・ルバート、ディミニュエンドにはハッとさせられます。そして…そこから行方不明にならず、きちんと元に戻すのは流石です。左手も正確且つ自在に打鍵していて、内声部にも何気に意味深さを表出する辺り、やはり非凡なピアニストですね。

内なる自発的な音楽=ミュージカリティを持っていて、聴く者を飽きさせることがありません。どんな音楽が次に紡ぎ出されてくるのか、思わず聴き耳を立ててしまうのです。ペダルのコントロールも、流石だと思います。

ただ、トリルの最初の音を一つ省くのが個人的には気になるのですが…そういう解釈なのでしょうね。


モーツァルトの演奏には、あまり重い音を出してはならないと思います。何故か?・・・その重い音が聴く者の心に、既にあるからかもしれません。

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コメント

No title

素晴らしい解説をしていただき嬉しい限りです!
ライブでこれだけの完成度の演奏(先日のオペラシティでも実際にそうでしたが)をするのは凄いことだなと思います。ピアノはあまり音が『立つ』ほうではないのですが、非常に滑らかで粒が揃っており、モーツァルトには不可欠なスケールなども見事に弾いていますよね^^
Wiliamさんのオーディオシステムで聴いたら、さぞやいい音がするんだろうなと思います♪
それと最後のWilliamさんのお言葉、なかなか深いですね...感動しました。

No title

あまでおさん、ご訪問有難うございます。
なるほど、菊池洋子のピアノは少々線が細いかもしれません。しかし、背筋のピンと張った表現には並々ならぬ厳しさも垣間見えます。
「なかなか深い」とコメント頂けて幸甚に存じます。m(__)m

一方、拙宅のオーディオは、目下、温かき友人の協力を得て、鋭意改良中です。(^_^;)

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