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朝比奈 隆のブルックナー:交響曲第8番


朝比奈 隆 指揮/新日本フィルハーモニー管弦楽団

TOKYO FM 朝比奈 隆1970年代ライブ集成

1.ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調《英雄》Op.55
2.ハイドン:交響曲第10番ニ長調 Hob.Ⅰ-10
3.ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調《ロマンティック》(ハース版)
4.ハイドン:序曲ニ長調 Hob.Ⅰa-7
5.ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(ハース版)

録音:
1.1977年4月2日 特別演奏会/東京文化会館
2&3.1979年3月8日 第67回定期演奏会/東京文化会館
4&5.1977年4月15日 第48回定期演奏会/東京文化会館

CD・ステレオ
TOKYO FM TFMC-0017~20


私にとって待望のCDが出ました。♪
このライブ集成での圧巻は、やはりブル8でしょう。このブル8、1977年4月15日、東京文化会館に感動の嵐が吹き荒れた伝説の名演奏です。このコンサート後、舞台のチェロの女性が感動の余り肩を震わせて泣いていたのを、今も思い出します。後にも先にも、楽団員が涙を流す姿を見たのは、このコンサートだけです。私も、暫し放心状態に陥りました。音楽好きの数人の仲間と一緒に聴きに行ったのですが、皆同様に感動を噛み締めていました。そう言えば、その仲間の一人、中田君(作曲家 中田喜直氏のご子息)は、今、どうしているのでしょう?

気を取り直して、楽屋口に廻り、朝比奈先生にブルックナー協会の会員証へサインを貰い、握手もして頂きました。しっかりと握り締めた、その手の力具合や温かみに、そこはかとない包容力や意志の力を感じたものです。握手ひとつでも、オケが心酔する理由が分かった様な気がしました。

この演奏、本当に素晴らしいです。ぐいぐいオケを引っ張っていく統率力、僅かな心の動きをも大切に音化する鋭敏且つ清澄な感性、何しろオケの音が朝比奈への信頼感に満ち満ちています。個人的には、朝比奈のブルックナー中、94年の大フィル盤に次ぐ名演だと思います。多少、アンサンブルが乱れるところはありますが、些細なことと感じます。実に集中度が高く、開放的にして内省的なブルックナー。特に木管と弦の素晴らしさが印象的です。ウィーンフィルも真っ青!ただ、第4楽章のコーダは、少々、性急な感じがしないでもない・・・しかし、それ以前があまりに素晴らしいのです。

一方、97年のN響盤は、オケが良くても感銘が深いとは限らない残念な例ではないでしょうか・・・。

やはり、どなたかも言われていた様に、朝比奈の演奏史には70年代と90年代の二つのピークがあると思います。

ベートーヴェン《英雄》は、52年のフルトヴェングラー/ウィーンフィルを思わせる解釈が感じられ、雄渾そのもの、堂々たる演奏です。ブルックナー《ロマンティック》は、分厚いハーモニーに織り込まれたロマンティシズムに魅了されます。木綿の様なタッチで、風格を聴かせるハイドンも見事です。

これは、朝比奈フリークならずとも、是非、お聴き頂きたいアルバムです。

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コメント

No title

新日本フィルに関しては、東京に住んでいるときに良く聴きました。小澤さんが振ったのが良かったかなあ~。ブルックナーの8番に関してはサントリーホールで聴いたチェリビダッケが最高でした。それを凌駕することができるか チョット楽しみですね。

No title

jbls9500さん、是非、朝比奈盤を聴いてみて下さい。チェリとは全く異なるアプローチですが、非常に感動的です。

No title

素晴しいCDを紹介してくださいましたね♪
朝比奈隆さんのブルックナーは数枚所有していますが、どれも感動の域に達していません。
このライブCD、是非聴いてみたい1枚です。

No title

Junozaさん、厳しさに貫かれた清澄な響きが、このブル8には溢れています。指揮台に立つ、朝比奈の雄姿が今も目に浮かぶ様です。

No title

4月15日のブルックナーの8番。わたくしも、当夜、上野で聴きました。第3楽章の美しかったこと。鮮やかに記憶が甦ります。
朝比奈さんの数ある同曲の演奏のなかでも、これはひっそりと聴き続けていきたい味わいの深いものです。ライヴだし、当時の在京のオーケストラなので、亡き大木正興さんのように技術云々ということを言えば、傷もありますが、そんなことはどうでもよいのです。シューリヒトのハーグ・フィル(7番)とて傷はあるのですから。あの晩、わたくしは、はじめてブルックナーの音楽を聴く歓びに目覚めました。
懸命に弾く、当時とくに女性プレイヤーの多かった新日本フィルの最良のすがたが刻まれています。オーボエは鈴木さんかな。フルートは峰岸壮一さんでしょうね。懐かしい・・・

No title

カワサキヤさん、昔日の感動が蘇りますよね。♪
先日、東京文化会館の楽屋口を通ったのですが、当時と全く変わらない様子でした。素晴らしい音楽を聴かせてくれた朝比奈さんは、もうこの世にいない・・・今更ですがとても寂しく感じました。

No title

昨日の新聞に、新日フィルの楽団長を務められたオーボエの名手鈴木さんの訃報が掲載されました。わたくしの中では、十代の半ばあの上野に通いつめた日々が、また遠くに過ぎ去るような思いです。コンサート・マスター、ルイ・グレラー以下、分裂再結成時代の新日フィルは、独特の魅力がありました。終演後に楽屋口へまわると、いつもサイン会のような状態で、小澤さんも、朝比奈さんも一人ひとりに心から握手をしてくれました。何度も申し訳ないですが、ほんとうに懐かしい。今宵もまた、ブルックナーの8番を聴きます。

No title

カワサキヤさん、そうでしたか・・・。
鈴木さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

当時の新日本フィルの魅力、生き生きとして真摯な表現意欲なのでしょうね。今になって、そのコンサートの価値を更めて知らされた想いがします。懐かしいと同時に、録音として残されたことに感謝したいと思います。

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