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ホルヴァートのマーラー「悲劇的」


1.マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」
2.マーラー:交響曲第10番アダージョ
3.マーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」

1&2~アントン・ナヌート指揮 リュブリャナ放送交響楽団
3~ミラン・ホルヴァート指揮 フィルハーモニカ・スラヴォニカ

CD・ステレオ・録音:1&2~1987年、3~1981年
CANTUS CLASSICS CACD 5.00136 F



ホルヴァートのマーラー交響曲第6番「悲劇的」

クラシック通の友人から貰ったCD。

第1楽章
冒頭の弦の刻みからして、只ならない雰囲気。
ホルヴァートは、冷静に楽曲を見据えています。他の指揮者が想い入れたっぷりに強奏させる部分は寧ろあっさりと表現しているのですが、力瘤を入れない分、透明な美しい響きが浮き立ってきてハッとさせられます。

第2楽章・スケルツォ
これまた見事な演奏。風格すら感じられます。やはり、この指揮者は並大抵ではありません。

第3楽章
足取りは、ゆっくりと沈み込んだ様に進められます。響きの作り方が実に巧く、即興的で微妙なアゴーギクが効いています。憧憬と悲痛の歌は透明な響きとなって、マーラーの孤独感をいやが上にも浮き彫りにするのです。後半の盛り上がりも見事で、輝かしい程の高揚を聴かせます。

第4楽章
冷淡・客観的でいながら、内部に熱いものを秘めています。この相容れない分裂の軋みこそ、マーラーの尋常ならざる心中を物語るものでしょう。生き物の如く蠢く弦に、怪しい退廃の美すら感得させるのです。時に必要とあらば内声部を際立たせ、テンポやダイナミクスの取り方も初めて聴くような新鮮さを齎します。ここぞという時の切れ味、迫力は凄まじいものですが、バランスを崩すことがないのです。


私的には、ボンガルツ、ノイマン、ラインスドルフ、バルビローリに加えて5本の指に入る超が付く名演だと思います。

真に匠の成せる業、ホルヴァートの眼光を感じさせるマーラー。

カップリングの「巨人」等の指揮はアントン・ナヌートですが、ホルヴァートと共に幽霊指揮者で有名?な人です。実在しない指揮者(ヘンリー・アドルフ、アルベルト・リッツィオ、等々)の録音として、彼らの録音が利用されてしまっているのです。

幽霊指揮者について、以下Wikipediaより引用致します。
幽霊指揮者の発端とされているアルフレッド・ショルツ(Alfred Scholz)は、ドイツの指揮者兼音楽プロデューサー。彼はオーストリア放送の放送用録音を大量に買い取り、PILZというレーベルを設立して、自身が指揮したもの、あるいは架空の演奏家のものとして大量に売り捌いた。幽霊指揮者の演奏とされる音源の多くは、この流れを汲んでいるとされる。

これらの中に、ショルツ自身の演奏による録音が存在する可能性は否定できないが、概して演奏者データが信頼できないため、検証できない。
またPILZはその後倒産し、POINT、ONYX、MEDIAPHONなどに分化した。

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