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ブルックナー:交響曲第9番ニ短調

ブルックナー:交響曲第9番ニ短調(ノーヴァク原典版)
 
若杉 弘 指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
 
CD・ステレオ・録音:2007年12月13日、東京オペラシティ・コンサートホール、ライブ
コロムビア・タワーレコード TPTW-1003
 

 
若杉 弘の指揮するブルックナーの素晴らしさはザールブリュッケンとの同曲で深く印象付けられましたが、この東京フィルとの演奏も実に見事です。前者が1994年12月録音に対して、後者は2007年12月録音と13年の歳月を経てのものになります。
 
若杉はここでも自然体ですが、ブルックナーを充実した響きで構築・再現して聴かせます。恣意的にテンポやダイナミクスを変化させることがなく、音楽が歪むことがないのです。
 
第1楽章
第2主題の優しさは如何ばかりでしょう。ゆったりしたテンポで心を籠め貫いていますが、決して重たくはなりません。全体を見渡す余裕が感じられ、音楽に広大な響きを齎しています。
 
第2楽章
鋭さと重厚さのバランスが素晴らしく、特に中間部は若杉ならではの内声部を生かした解釈が感じられます。集中と拡散を繰り返しつつ跳躍する和声の魔術が、実に鮮烈に描かれています。
 
第3楽章
深遠なる世界に誘われます。全てのパッセージに入念な感情移入が施され、蔑ろにされる音がありません。
コーダのトゥッティこそ、この演奏の結論と言えましょう。常に響きが構築的に展開し、圧倒的巨大さの中に新たな地平が現れるのです。
 
これは本当に素晴らしいブルックナーです。オケのアンサンブル等はザールブリュッケンが勝りますが、東京フィルも一生懸命弾いていて真に勇将の許に弱卒なし。
 
ザールブリュッケンと東京フィル、共に私の愛聴盤となりました♪
 
若杉が真に「心血を注いだ」ブルックナー。
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コメント

No title

kapellさんのこの記事を読んで、当該CDの購入を実行しました。
まだ通して1回しか聴いていませんが、なかなかの演奏だと感じました。今度、私も感想を自分のブログで掲載したいと思います。
情報有難うございます。

No title

JUNOZAさん、聴くほどに凄さの分かる演奏だと思います。
若杉氏は、日本の「シューリヒト」かもしれませんね♪
細部まで神経を通わせながら、全体を失うことなく、常に作品の魂を追って止まない・・・。

No title

昨日このCDを購入し、聴き始め、いたく気に入りました。濃すぎない、しかし、非常に心地よい演奏だと思います。

No title

はんきちさん、はじめまして。
今し方、貴ブログにコメントさせて頂きました。

押し付けがましくない自然な流れの中に、深い想いを認めたブルックナーですね。

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