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ブルックナー:交響曲第8番

ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 WAB.108 [ノヴァーク版]
セルジュ・チェリビダッケ指揮 
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
 
CD・ステレオ・録音:1990年10月20日、サントリーホール、ライブ
 

 
嘗てNHKテレビでこの演奏を視聴し、あまりの素晴らしさに驚愕して即六本木WAVEに走り、LDを買い求めたことが懐かしく思い出されます。CDとしてなかなか発売されなかったのですが、やっと陽の目を見て何よりです。
 
第1楽章
始まりから深く澄み渡ったまるで「禅」の世界の様な響きが現れて、思わず惹き込まれてしまいます。後から聞いたところでは、チェリビダッケは静岡県三島にある龍澤寺で「禅」の修行もしたとのこと。ブルックナー=「キリスト教」と「禅」の融合とは何とも凄いことになったものです。
しかし、この遅いテンポは彼必然のものですね。遅くても緊張感が持続していて、決して凭れることがありません。
 
第2楽章
この楽章は割と普通のテンポで奏させていますが、楽章間で違和感がなくバランスが取れているのは流石です。中間部も美しく、心の籠った響きが印象的です。
 
第3楽章
素晴らしいアダージョ。テンポは愈々遅くなり、因みにシューリヒト/ウィーン・フィルが21分44秒、マタチッチ/N響が25分18秒に対して、このチェリビダッケは31分28秒ですから、如何に遅いかが分かるでしょう。しかし、第1楽章同様に凭れることがありません。
この耽美的なまでの深遠・広大な響きに只管埋没したいと願う自分に気付くのです。
 
第4楽章
チェリビダッケのブル8の結論がここにあります。冒頭の推進力も只事ではありません。中間部もぎりぎりの遅いテンポが深い呼吸を齎し、この上ない優しさを伝えて聴く者の心を癒してくれます。いつもながら、第1楽章第1主題の全強奏、金管の咆哮には本当に痺れます。それにしても、ペーター・ザードロのティンパニーは実に見事に決まっていますね。オケ全体の状態も良く、この演奏はチェリビダッケ最高のブル8だと言って過言ではないでしょう。
マニアが血眼になって探しているという同曲のリスボン・ライブより、個人的にはこちらの来日公演の方が色付けがなく、更に深く清澄な演奏と感じます。
 
音も良いですし、お薦め◎です!
 
ところでこのCD、まともに買うと4,715円しますが、量販店では3,300円くらいで売られています。以前、同チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルのブル5を確か値引き後3,300円くらいで買って、暫くしたら1,000円になっていたショックを思い出しましたが(今見ると、このブル5もブル8と同じ4,715円に戻っています)、勢いづいて買ってしまいました。このCDも、いずれまた1,000円になる日があるやもしれません。虎視眈々と狙っておいでの方、多いのでは・・・?(^^
 
 
 
 
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コメント

No title

この演奏は名演奏ですね、個人的には名演とされる思い入れの多いリスボン・ライブよりも高く評価しています。ここではチェリビダッケの中庸の解釈が際立っており、還ってそのことが結果としてブルックナーの精神に近づいた形になりました。何はともあれ、この名演の初CD化は歓迎ですね!

ところで私のケンペの8番のところでコメントに触れてあった同じチェリビダッケのmeteorの8番との比較はいかがなものですか?あの時にはこちらの演奏にはまったく触れてはおりませんでしたが??

No title

maskball2002さん、
>個人的には名演とされる思い入れの多いリスボン・ライブよりも高く評価しています。ここではチェリビダッケの中庸の解釈が際立っており・・・
記事にも書きましたが私も全く同感です。

チェリビダッケのmeteorの8番は、解釈・テンポ設定はこの日本公演盤によく似ています。演奏のレベルは判定が難しいですが~当盤と同等ではないでしょうか。録音は当盤の方が良く、meteor盤はヒスノイズがやや大き目ですが耳につく程ではありません。

No title

8番の1楽章、瞑想的なところがありますね。チェリビダッケがそういった経験をした後にどう描き直したのか、興味が広がります。
3楽章の深遠なる美しさ・・これはもう・・、7番の2楽章もそうですが美しすぎていつまでもあの世界に沈んだままでいたくなりますね♪
素晴らしい解説です。ポチ☆

No title

NHKの放送はビデオで録画したものをDVDに焼いてあります。CDとして出たのはうれしいですが、高いなあ^^;
でもリスボン・ライヴよりよいとなると、ちょっと考えちゃいます。チェリビダッケは廃番も多いですから。

No title

mamanさん、日本公演という場所の影響もあってチェリビダッケの心のあり方が「禅」の世界に近づいたのでしょう。
チェリビダッケの再現芸術~ブルックナーの美しさを堪能させてくれますね♪
ポチ☆有難うございます。

No title

ひろちんさん、確かにお高いですよね。(^^ゞ
1,000円になるのを待つのも不確かですから辛い・・・廃盤リスクもあるので思い切って買いました。
リスボン・ライブは、チェリビダッケの個性・癖が強く出ている気がします。この日本公演盤の方が良い意味で客観的になっていて、深く清澄なブルックナーが響きます♪

No title

チェリビダッケのこのCD、沢山店頭に並んでましたね。
お値段も確かにちょっと高めです。でも、それだけの価値はあるでしょう(私は未だ購入していませんが)
EMIから昔、チェリビダッケのブルックナー交響曲集が、正規盤として2万円で国内盤が発売されましたね。それには即、飛びつきました。今でも大事に聴いています。

No title

8番を探しましたが持っていないようです…。
ブルックナーでは4番ロマンティックが一番好きでこれは
ベームのを持っています。

でもヨッフムので結構持っていたのに…。
この記事を読んで探したのですが見つけられません。
東京に置いて来ちゃってるのかな~。

皆さんのように詳しくなくてしょぼいコメントですみません(-_-;)

No title

Junozaさん、店頭に沢山ありましたね。
高めでもそれなりの価値がありますよ。
EMIの交響曲集を買われたのですか~チェリビダッケのブルックナーを堪能出来ますね♪

No title

うたひめさん、お気になさらずに。
コメント頂いて有難うございます。

4番はベームの往年の名盤ですね。4番がお好きでしたら、7番も綺麗な曲なのでお薦めです。
仰るところのヨッフム指揮で、オケはアムステルダム・コンセルトヘボウの盤が良いかと存じます。

8番はヨッフム/シュターツカペレ・ドレスデンの演奏でしょうか。東京に行かれる際に、宜しければ聴いてみて下さい♪

No title

>ペーター・ザードロのティンパニーは実に見事に決まっていますね。
テレビで試聴して以来、ずっと私のイメージになっているのはそこです。
チェリビダッケのブルックナーでは「第4番」、特にフィナーレが好きでよく聴くのですが、とれもブルックナーを聴くよりはチェリビダッケを聴く音楽になっています。好みを分かつのはその一点に尽きるのでは。私は正直、一度聴くと二度目は苦しくなってくるのです。
コメントで話題になっているヨッフムや、ベームの演奏は、何度聴いても、安心です。kapellさんお薦めの7盤は、最後の来日公演のでしょう。名演ですね。あれも、たいへんに遅いテンポなのに、チェリのような威圧感はありません。音楽は不思議です。

No title

yositakaさん、実は曲は違うものの、私もチェリビダッケの妙に弱音を大切にし過ぎた演奏が耳にこびり付いて辟易していた時期があるのです。そのイメージを払拭してブレークスルーしたのが、正にこの演奏でした。
このブル8、確かにチェリビダッケ流はありますが、驚くべき客観性がある気が致します。しかし、これは個人個人の感じ方次第なので、もう何とも言えませんが・・・。
ヨッフム/コンセルトヘボウのブル7は、仰る最後の来日公演のものです。このヨッフムの演奏と比べたら、チェリビダッケは好みが別れるかもしれません。

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