FC2ブログ

クルト・ヴェスのブルックナー


 
ブルックナー:交響曲第9番ニ短調
 
クルト・ヴェス指揮
ヴュルテンベルク国立管弦楽団
 
CD・ステレオ・録音:1984年9月16日
 
Lucky Ball LB0010
 
 
クルト・ヴェスは、旧くは1950年代NHK交響楽団の首席指揮者を務め、オーケストラのレベルアップに大きく貢献した人物です。ブルックナーにも一家言あり、このCDでも面目躍如たる解釈が聴けます。
 
第1楽章
壮大なテーマを幅広く奏させていますが、程を弁えており、決して大袈裟にはなりません。金管をはじめハーモニーに厚みがあり、響きに充実感があります。私の愛する第2主題は、輝かしくしなやかな弦が何より慈愛深く、その美しさに心を奪われます。
 
第2楽章
テンポはシューリヒトよりやや遅めで、ここでもハーモニーにヴェスならではの拘りが感じられます。中間部の弦も、蠱惑的なまでに歌わせていますが、嫌らしくはなりません。細かい部分まで彫琢されていて、その展開の充実振りには瞠目に値するものがあります。
 
第3楽章
最初の念の入った主題の提示、次いでの弦のトレモロが実に絶妙な響きで、その後が弥が上にも期待されます。広い空間を感じさせる構築感が本当に見事です。不協和音が真に魂の叫びとなって、聴く者の心に響きます。
 
個人的には、シューリヒト/ウィーン・フィル、ヴァント/ミュンヘン・フィル(sardana)、グッドオール/BBC響、ライトナー/シュトットガルト放響と並ぶ超名演と感じます。
 
 
清澄と厳粛
 
安息と永遠の祈り
スポンサーサイト



コメント

No title

ウェス氏は、NHK交響楽団の常任指揮者を務め来日も多い人でしたが、ブルックナーを指揮した記録があるとは。84年演奏というのも驚きです。
「ラッキーボール」からの発売というのが気になるところですが…

No title

「N響80年全記録」(文藝春秋)によると、ウェスの音楽は、ウィーンを彷彿させる典雅で流麗な気風を漂わせ、穏やかでゆったりとした指揮ぶりは柔らかで暖かな歌声を喚起させたそうです。
当時の写真を見ても気品のある感じです。聴いてみたいです。

No title

yoshitakaさん、ヴェスはブルックナーの研究者で、ヴェス版なる楽譜もあるそうです。
確かに強弱の付け方や表情に彼独自のものが聴かれますが、それが新たな発見となって感動を呼ぶのです。
「ラッキーボール」~怪しいですか?しかし、素晴らしい音楽に触れられれば、本当に「ラッキー」ですよ。(笑)

No title

yymoonさん、ヴェスはウィンナワルツも得意としていた様ですね。
ブルックナーでも、弦のしなやかな美しさにウィーンの香りが沁み込んでいる気が致します。このCDを偶々ネットで見つけて、即購入して本当に良かったです。

No title

>ヴェスはウィンナワルツも得意

そうです。実は秘蔵の一枚があります。
日フィル分裂直後に、自主運営支援のため制作されたと思われるライヴLP「ウィーン音楽の夕べ」1972.9.4録音です。闘争に明け暮れ分裂したオケのアンサンブルは正直低いですが、ウェスの前のめりの舞踏感覚とテンポの伸縮感はよく伝わってきます。

No title

yositakaさん、その様な録音があるのですね。
そのヴェスのウィンナワルツ、是非聴いてみたいです。1952年のN響との演奏は、何とNAXOSにありました。音質は、あまり宜しくないですが、ウィーンの香りは伝わってきます。
http://ml.naxos.jp/album/NYNN-0002

失礼致しました。「yoshitaka」さんではなくて、「yositaka」さんでした。

No title

おはようございます。ご無沙汰してます(笑)
また珍しいCDを紹介してくださいましたね!KAPELLさんの記事を読むと直ぐにでも聞きたくなってきます。

No title

Junozaさん、お久し振りです。(^^
ヴェスのブルックナー、本当に聴く価値がありますよ。
ブルックナーは、この曲を神に捧げたと言いますが、その神は女神だったのではと思わせる演奏です。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

プロフィール

Kapell

Author:Kapell
音楽は心のオアシス
オーディオは音楽の為に

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ