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ブルックナー・交響曲第5番
ヴァント指揮/ベルリン・フィル(RCA BVCC-1510)
仰ぎ見るような高揚感~ヴァントの辛口さが見事に効いた名演。
当ベルリン・フィル盤は、ヴァントの緻密な計算が極めて充実した音響として具現した、隙が殆ど無い演奏。技術的には世界一レベルのベルリン・フィルが徹底的な練習を積んだ・・・天下のベルリン・フィルをしてマエストロ:ヴァントに「もっと練習しましょう」と言わしめたくらい、オケとしての思い入れも半端じゃない、非常に完成度の高いものです。
随所にヴァントの鋭い眼光が感じられ、その統率力とオケの反応の俊敏さ・巧さには舌を巻きます。
恐ろしいほどのエネルギーが籠められているのに、力んだ感じがしないのです・・・只管、外界へと広がっていく壮大なドラマの創造。
ヴァントとベルリン・フィルの再現芸術。
宇野功芳氏も言われているように「初めて聴くような部分が頻出する」のです。
ブルックナーの交響曲中、5番は難解な部類と言われています。しかし、このヴァント/ベルリン盤は、この曲を通してブルックナーが伝えたかったメッセージを、格調高く強かに教えてくれている様です・・・。
他の演奏を聴かれている方も、是非、この演奏・CDを聴いてみて下さい。
最近、リリースされたミュンヘン盤も素晴らしいですが、個人的には・・・詳しくは別投稿をご参照下さい。
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