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ブルックナー・交響曲第7番


ブルックナー・交響曲第7番ホ長調
カラヤン指揮/ウィーン・フィル

1989年4月、カラヤン最後の録音。


第1楽章

弦をはじめ、各パートが有機的に織り成す練絹の輝き。心を籠め貫いていながら、音楽は自然な流れを失わない。

歌うが如く、語るが如く、切々と、そして決然と・・・。

木管の寂寥感、その余韻は静寂に吸い込まれるかの様に消えていく。

ウィーン・フィルは、これがカラヤンとの最後の録音になると予感していたのでしょうか・・・?

それ程までに、この演奏にはウィーン・フィルの美感が際立っています。


第2楽章

しみじみと慈しむような情感、優美にしてどこまでも清澄な響き。旋律の一片一片が驚くほど微妙なニュアンスを湛え、室内楽的な透明度をも聴かせます。

今、永遠に向かって語りかける、開かれた世界。

孤高なまでに、溜息が出る程に美しいアダージョ。

カラヤンが生涯を懸けて求め続けた美学、それがこの楽章に集約されていると言っても過言ではないでしょう。


第3楽章

ピラミッド型の響きが、躍動するようなスケルツォ。

ウィーン・フィルは下手な指揮者の言うことは聞きませんが、ここでは見事にというか、当然に、そしてさり気なくオーケストラ・コントロールが利いています。

・・・第4楽章への巧みな伏線が敷かれているようです。


第4楽章

カラヤンらしい鋭角的な切れ込みが随所に現れます。美しいだけではない、金管の荒々しさにも見られる表現の幅の広さ。第1、第2楽章の静謐な美、躍動の第3楽章との対比感、バランスの妙。

圧倒的なボリュームの中に訪れる終結部。

ブルックナーとの、そしてカラヤンとの至福の時。


ところで・・・

カラヤンのシベリウスは素晴らしく、永年の愛聴盤です。しかし、正直、ブルックナーはLPの頃から聴いてきて、殆ど感動したことがありませんでした。音響的には凄くて、美しくもあるのですが、特許カラヤン・パレットの中で促成栽培された感じがしたのです。

ここに聴かれるカラヤンのブルックナーは、最早、促成栽培や巧言令色などではありません。

彼岸の美とは、こういうものなのでしょうね。カラヤンが言いたかったこと、描きたかったことはこれだったのかと・・・。心が洗われる様に、時に痛々しい程に美しい。

カラヤンは、ここまでの境地に達していたのです。

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コメント

No title

本当にクラッシクがお好きなんですね^^いつもとっても詳しく説明してあって感動ですw

No title

ぴ~こさん、有難うございます。クラシックの良い演奏は、多くのことを教えてくれますよ。ところで、同じ曲でも演奏家によって、まるで違った曲に聴こえることがあります。演奏家の心や価値観などの違いが反映して・・・そこがまた面白いのです。

No title

karajan Bruckner購入おめでとうございます。レヴューも感心して読まさせて頂きました。このカラヤンのブルックナーはチェリビダッケやヴァントと同じような感動を与えてくれます。特に第2楽章の最後の「泣き」の部分はもうこの世の音楽ではありませんね。涙なしでは聴けないくらい美しい!しかし、レヴューで最後に書かれているように、この美しさはLPでは伝わってこなかったかも知れませんね。

No title

junozaさん、有難うございます。本当に第2楽章、素晴らしいですね。眼で見ていて、夢見ているような感覚(耳で聴いているのに・・・)。チェリビダッケは、日本公演の8番(LD)が非常に印象的です~東洋的な深さをも感じます。第4楽章終結部近くで第1楽章・第1主題を渾身の感情移入で奏する部分、何度聴いても胸が高鳴ります!METEOR盤も同様の解釈で感動的です(若干、ヒスノイズが多く、音質イマイチですが・・・)。

No title

言い忘れたwアイコンいいですね♪色が素敵ですw

No title

カラヤンのブルックナーは聴いたこと無いですね。シベリウスの後期(5,6,7)あたりは集中力も素晴らしく愛聴しています。 晩年のカラヤンでブルックナー、興味湧きます。

No title

ぴ~こさん、有難うございます。アイコン作り、まだ慣れていないので、改良していきたいと思います。変なときは、変だと指摘して下さいね^^;。

No title

jinさん、カラヤンはシベリウスの空間を創っていく緊張感・集中度が違いますね。同じ晩年で1988年11月のブルックナー8番は、特に良いとは思いませんでした。しかし、この7番はお薦めです!

No title

色が私の好きな感じなのでwwwwGOODです♪

No title

ぴ~こさん、優しい方ですね。ドライブの雲間、今し方、コメント致しました。

No title

私もカラヤンのブルックナーは、8番をのぞいて聴いていないのですが、7番と晩年のカラヤンの組み合わせは、興味があります。晩年のカラヤンは、70年代の壮麗さと入れ替わるように、しみじみとした叙情性、耽美性があって、絶品ですよね。

No title

arzt7さん、晩年のカラヤン(特にこの7番)は、聴き手がその昔のイメージのままでいると勿体無い気がします。固定観念を持たずに、更めて聴き直してみることも大切ですね。

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